わさび家の受験記
第一志望の決定
わさびの第一志望は京都大学です。
それ以外に興味なかったのか?そんな事ないです。ちらっと、心揺らいだことも。高校2年生の終わりから3年生の初めだったと記憶しています。
地方に行きたいということで、もめました。かなり遠いところです。簡単に帰ってこれないし、行けないし。本人の望むところに、とは思いますが家庭の経済事情もあります。あまり高額な借金をさせたくはありません。だってね、農学部志望だから。
これが医学部とかなら、また違ったけど。母の考えは間違えているかもしれないけど、悩んだけど、この子はうちに生まれた子なので、うちの家族として生きるしかないのです。
自宅の近くにこんなにいい大学があるのに、おまえはレベルを落として地方に行くのか!!
と、キツい言葉を発しました母。
わさびも、行きたい気持ちは絶対ではなく、同じくらいであったので結局は京都大学を受験する事になりましたが。
自分は京都大学に合格したい
これが本当に固まったそれから
母の情報収集
秋が来て、母は第2志望を探し始めました。模試が、安心できる点数ではなかったからです。難関大学を受験するので1年浪人は仕方ないと思ってはいましたが、いわゆる滑り止めをどうするかなーって情報収集をしていました。勝手に大学のパンフレットや願書まで取り寄せをしていました。
意思表示
ところが、わさびからの提案がありました。
【京都大学しか受けたくない】
は?
またや。。。高校受験が思い出されます。しかし今度はちょっと大人になり交換条件を出してきました。
「現役の今年は京都大学だけを受験したい。他の大学の対策はしたくない。もし今年不合格であれば、来年は親の希望の大学を受験するから、今年は京大に集中させてほしい。」
うーーーーん。。。
他の大学の過去問対策等をするのであれば京大に時間を割きたい、といいたい様です。親は納得したので了承しました。
ただし、浪人は1年限り。現役で無理であれば浪人1年目では合格したところに入学するという約束です。
受験大作戦
冬が来て出願の時期。最終的には、予備校での説明会や現役京大生の話を聞き、国立後期試験だけは受験することにしました。
わさびは不服そうでしたが、京都大学に合格さえすれば受ける必要はないのだからと説き伏せて、なんとか出願しました。「後期試験で合格してもいかへんからな」とえらそうに文句を言いながら。
ちなみに中期試験もありましたが、わさびは今年は絶対いやーと拒否。あんまり無理を言ってはいけないのでここは押し切らず、母は「来年は受けてもらうからな」と腹の中で思っていました。
なんて厚かましいのでしょう。模試で満足な点数を取れたことなんてないくせに。誰からも「大丈夫だよ」って言われてないくせに。
わさびが出願したのは
前期 京都大学 農学部
後期 神戸大学 農学部
それ以外はどこにも出しませんでした。
メリット
一見、無謀と思えるこの挑戦。今から思えば、この作戦は親と子のメンタル的には良かったのかもしれません。受験期のわさびを見ていると、リビング学習なので勉強具合がよく観察できます。集中して勉強しているときはよいのですが、そうでもない時もよく見えます。
そしたら母は勉強しろと言いたくなります。ですが「来年はこっちの言いなりに受験してもらうからな」と考えると、小言は減ります。
また、はっきりと約束をしたことにより模試の結果がたいしたことなくても「今年は仕方ないか。」と思うことも出来ます。
要するに、こちらが不安になって息子を責めることが圧倒的に少なくなりました。なので、年明けの受験本番の時期にピリピリすることもなく比較的平和な空気で過ごすことが出来ました。
デメリット
国立だけを受験すると、どうなるか。
私立を受けないことになります。
当たり前です。
だんだんと周囲の友達の出願状況が分かってきます。意外とみんな、例年通りたくさん受けるのね。あいつは絶対浪人したくないから、ひとつ下げたとか。どうしても志望学部は変えたくないからまた話合いになった、とか。少しずついろいろ聞こえてきます。
そして時期が来て、どんどん私立の試験が始まりみんなは戦いに行くわけです。そんな話を聞かされ、こちらまで緊張感を味わうのですが。簡単にスケジュールを書くとこうなります。
センター試験1月上旬→出願→私立受験→私立大学合格発表→2月下旬国立大学前期個別試験→3月10日京都大学合格発表→国公立中期個別試験→中期試験発表→国公立後期個別試験→後期試験合格発表
(注意:私立大学の試験日は多くあるので一般の初回のみ記載しています)
国立受験だけの人
京都大学の場合はセンター試験と個別試験の両方を受験する必要があります。
1月のセンター試験後、2月下旬の個別試験まで1ヶ月半の間が空きます。この空白の期間に、友達はどんどん私立を受験し、合格を取ってきます。この時期、なんとも敏感になる「合格」という言葉。
受験を待つ身
沈黙の我が家、しずか過ぎます。やはり、センター利用でも出願すれば良かったかなぁと頭によぎります。うちには何もありません。
置いてけぼりのような、取り残されたような、ぽつんとした気持ちになります。この期間がなんとももどかしく、入学しないにしても何か一つ「合格」のカードがあればなぁ、と。わさびは当の本人なのでそんな無駄なことはしたくないという感じでしたが、親や周囲の人間は、目をつぶり息を殺し音もなく、まるで深い水に潜水をしているようでした。
まとめ
受験生と親、それぞれがきちんと意志表示し確認しあったことで、無駄な言い争いは少なくなりましたし、具体的な方向が見えました。驚くような発言があったとしても、一度聴いてあげると冷静に理解が出来ると思います。
受験を戦う上でメンタルはとても大切です。普段から話しをして、大切な時期にすれ違いがないようにしたいですね。